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認知症とADHD、高齢期に見分けにくい症状

執筆者の写真: 裕子 小野寺裕子 小野寺



発達障害者支援法が施行されてから約20年が経過し、発達障害への認知と理解は深まりつつあります。特に若い世代では、早期発見・早期療育の重要性が認識され、適切な支援につながるケースが増えています。



しかし、もっと上の世代、特に高齢の方々においては、発達障害が十分に認知されておらず、適切な支援を受けられていない現状があります。



近年、高齢の発達障害の方が認知症と誤診されるケースが報告されています。加齢に伴う物忘れや注意力の低下が、認知症の症状と類似しているためです。

例えば、物忘れについて、認知症の場合は記憶そのものが欠落するのに対し、ADHDの場合は注意障害によるものといった違いがあります。しかし、これらの違いを鑑別するのは難しい場合があるようです。



若い頃は自身の工夫や周囲の理解によって特性をカバーできていたとしても、加齢に伴い認知機能が低下することで、不注意などの特性が表面化しやすくなることがあります。

特に、発達障害という言葉が一般的でなかった時代を生きてきた方々は、自身の特性が何かもわからず、生きづらさを抱えながらも懸命に生活を送ってきた可能性があります。



認知症とADHDの鑑別は専門家でも難しい場合があります。もし、長年生きづらさを感じてこられた方は診察時にその旨を医師に伝えてみてください。



また、ADHDと診断された場合は、年齢に関わらず、カウンセリングなどの支援を受けることで、より快適な生活を送ることが可能です。お気軽にご相談ください。



【参考文献】

(2025/3/20参照)

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