発達障害をもっている人が、いわゆる“定型発達”が多数派の社会に受け入れられるために、自分の特徴を隠し対処することを“カモフラージュする”と表現することがあります。
カモフラージュは何のために行われるのでしょうか。
発達障害をもった人が自分は人と違うと感じた時に、普通に見えるため、自分に注目されないようにするため、嫌な目にあわないため、差別されないよう自分を守るためにカモフラージュするのです。
また、他の人との関係を上手に保つために、学校で友人を作り、就職活動を成功させ、仕事を長く続けるためにカモフラージュしています。
カモフラージュには良い面もありますが、あまり良くない面もあります。
カモフラージュするためには、常に他者の反応と自分の言動を意識しなければならずとても疲れます。うまくカモフラージュができているか不安になり大きなストレスがかかることもあります。 そして、カモフラージュすることで自分自身にうそをついていると感じ、アイデンティティを失うことや、自尊心に良くない影響がでることが心配されます。
自分のためになる上手なカモフラージュだといいのですが、必要以上に自分を変えてしまうことがないように、なんか無理しているなと思ったら少し立ち止まってみてください。 周囲の人は発達障害の人がもしかしたらカモフラージュしているのかもと想像してみてください。
【参考文献】
Laura Hull, K V Petrides, Carrie Allison, Paula Smith, Simon Baron-Cohen, Meng-Chuan Lai, William Mandy .(2017)"Putting on my best normal": Social Camouflaging in Adults with Autism Spectrum Conditions. Journal of Autism and Developmental Disorders. Aug;47(8):2519-2534.カモフラージュと発達障害
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